記者) 2007年、ベトナムは急増し新記録まで打ち立てた海外資本を受け入れるにあたって、かなり受身だったと言えます。フィリピンの国家中央銀行の総裁や財務省の大臣を経験された方として、ベトナムへはどのようなアドバイスがありますか?
クレディスイスのアジア地域副会長Camacho氏) ベトナムやアジアの数ヶ国ばかりでなく、フィリピンも海外資本が大きく流入する状況に直面したことがあります。投資家の目的は利益追求ですから、政府は多くの投資チャンスや優良事業を示して、海外資本を経済に対して効果的に吸収すべきです。しかし、これは長期的な対策です。ベトナムには良いチャンスがあります。投資家がベトナムへ資本を投入したいということを心配するのではなく、奨励すべきです。この魅力を維持させるためには、市場開放を継続すべきです。私の個人的な意見ですが、目先の対策としては、ベトナムが株式会社化を継続し、市場を発展させ、投資家に対して良い投資チャンスを拡大することでしょう。
記者) しかし、多くの企業の株を一度に売却すれば大量な供給が生まれ、投資家が全て吸収することができないかもしれませんが。
Camacho氏) 政策作成者にとって重要なことは柔軟性です。この時点での株式会社化は合理的なことですが、今後は調整を行うことも必要でしょう。IPO(新規株式公開)を先に行い、その後戦略的パートナーを探すという方法の代わりに、一部の企業に対しては戦略的パートナーへ先に売却することを許可した方が良いのではないでしょうか。戦略的パートナーが企業の経営改善に参画し、株価を引き上げてから、 IPOを行っても遅くはないでしょう。
記者) ベトナム国家中央銀行は現在、外貨を購入し、ベトナムドンを市中に供給するとインフレが進む可能性があり、逆にそうしなければ証券市場の発展を妨げるという難しい選択に直面しています。フィリピンがこのような事態に陥ったことはありますか?
Camacho氏) ベトナムとは異なるフィリピンの特徴は、ペソ(フィリピンの通貨)の通貨交換が可能(ハードカレンシー)だということです。一方で、一部の国で成功した手法には、国家中央銀行が自国通貨で外貨を買い入れること、また商業銀行に対して信用抑制を要求すること、つまり、流通資金を制限することなどがあります。その他、商業銀行へ法定準備率の引上げを要求することも1つの対策です。効果的な事業への投資を拡大することも大切です。また自国通貨建て国債を海外で発行するという対策も考えられます。海外投資家がベトナム国債を購入するということは、外貨がベトナムドンへ転換される代わりに、外貨が直接ベトナムの国庫へ送られるということを意味しています。
(終)