ホアン・アイン・ザライ[HAG](HAGL)は、銀行債務残高の縮小を目的に、不動産分野の構造改革を実施することを明らかにした。この構造改革により、同社の銀行債務残高は▲1兆7610億ドン(約87億円)削減される見通しだ。
HAGの不動産分野の構造改革案の詳細は次の通り。
第1段階:HAGはホアンアイン住宅開発建設株式会社(ホアンアイン社)からアンフー不動産投資株式会社(アンフー社)の株式を購入する。これにより、アンフー社はHAGの100%出資子会社となる。なお、現在ホアンアイン社とアンフー社は共にHAGの子会社。
第2段階:アンフー社は、HAGのドアン・グエン・ドゥック会長の債務保証によりHAGから3兆0830億ドン(約153億円)を借り入れ、ホアンアイン社の子会社や不動産案件を買い取る。
第3段階:HAGは同社の既存株主を対象にアンフー社の株式を売却する。株主はHAG株1万株でアンフー社の458株を購入することが可能で、売却価格は1株1万ドン(約50円)となる。また、HAGは、アンフー社の株式を購入する既存株主支援を目的に、現金配当を行なう。これによると、HAG株1万株を保有する株主は、アンフー社株式購入の資金として500万ドン(約2万4800円)の配当を受ける。
HAGのドアン・グエン・ドゥック会長によると、9兆ドン(約445億円)の総資産、5兆ドン(約245億円)の債務残高を持つアンフー社を3600億ドン(約17億8000万円)で売却するという。アンフー社は、事業展開や上場を目的とせず、HAGの代わりに不動産案件の売却や銀行債務返済を担当し、債権回収会社(AMC)としての役割を果す。
HAGの計画によると、アンフー社は2014年から活動を開始し、ホアンアイン社から購入した不動産案件を売却することで、HAGが抱えている銀行債務の返済及びHAGへの返済を行い、3年後には解散する。ただし、アンフー社が保有するHAGに対する売掛金が3兆ドン(約148億円)あるため、実質的にはHAGからの借入れは相殺される。
なお、2013年9月30日時点におけるHAGの債務残高は14兆5080億ドン(約710億円)、総資産は32兆2030億ドン(約1600億円)、株主資本は12兆9100億ドン(約640億円)、現金残高は1兆7300億ドン(約86億円)だった。年初9か月の売上高は2兆0140億ドン(約99億円)、税引前利益は7570億ドン(約37億5000万円)となった。