地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)は25日、自社ブランドの電気自動車(EV)を米国に初出荷した。ベトナム企業が国際市場にEVを輸出したのはこれが初めて。
北部紅河デルタ地方ハイフォン市MPC港(MPC Port)で盛大に執り行われた出荷記念式典には、ファム・ミン・チン首相や在ベトナム米国大使館のマーク・ナッパー(Marc Knapper)大使らが出席した。
チン首相はこの席で、「ビンファストは自動車業界の新たなプレイヤーだが、最新鋭のスマートテクノロジーを導入しており、格別に優れた顧客アプローチ方法を採用し、開発のためにグローバルな人材を集めていることで成果を上げている」と評価した。
今回、輸送船に積み上げられたのは、EV「VF 8」999台。「999」という数字は「永久」を意味する「久(cuu=クウ)」に発音が似ている「9」が重なった数字のため、縁起の良い番号と考えられている。
「VF 8」999台は、パナマ船籍の貨物船「シルバー・クイーン(Silver Queen)号(全長183m)で輸送される。船体には、ビンファストのロゴマークと社名が塗装されている。同船は20日間の航行を経て、カリフォルニア州に到着予定。「VF 8」は12月下旬に通関を切った後、購入客に引き渡される。
ビンファストは、今回の米国を皮切りにカナダや欧州にもEVを輸出していく計画。同社はこれまでに、同社ブランドのEV「VF 8」と「VF 9」について海外から合わせて6万5000件を受注している。