国内株式市場はTPPへの期待から、繊維・縫製、水産、木製品の各分野の企業の株価が上昇している。ベトナム投資開発銀行証券(BSC)によると、繊維・縫製はベトナムにとってTPPによる利益が大きい分野の一つだという。米国と日本への輸出額増大が期待できるが、原材料の原産地に関する規則により、 国内またはTPP参加国で原材料を調達する必要がある。
水産分野では、エビ、タコ、マグロの輸出業者が、日本向けの輸出で有利になる。日本の輸入税率が現行の6.4~7.2%から0%に引き下げられるからだ。米国向けは高い反ダンピング税が課せられているため、あまり有利にならない。
また、木製品の輸出額でベトナムは世界6位、ASEAN諸国で1位の座にある。主な輸出先は米国(37%)と日本(16%)。BSCによると、ここでも 問題は原材料の調達にある。現在80%以上を輸入に頼っているが、TPP参加国外からの輸入を45%以内に抑えなければ、優遇税率が適用されない。