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[市場概況]
株価を膨らませる術
[2007/03/05 19:22 JST更新]
多くの会社が1ヶ月弱の内に自社の株価を1万ドンから3万ドンに上昇させている。その企業の手の内を知ったら、投資家は気絶してしまうかもしれない。
M社は建設関係の総公社に属する会社で、株式化されて4年。株式化する際、幹部や社員は失業したくないので株を買わざるを得なかった。M社は49%を売却することができず、更に幹部と社員に売る計画だったが、結局それを達成することはできなかった。売れ残った株の総額は50億ドンに達した。2006年11月まで、M社の会計帳簿には50億ドンがそのまま放置されていた。今から数ヶ月前、多くの社員は1株1万ドンで買った株を集めて8,000ドンで売り始めた。しかし、打って変わって、30日も経たないうちに株価が額面の4倍に上昇。M社はどうやって株価を膨らませたのか。
この株価を膨張させる手の内というのは実にマニュアル通り。2006年11月、M社トップは水力発電所建設のための出資に参加しよう、そしてM社を上場させようと密かに相談した。これはM社の株にとっては非常に有意義な情報となる。というのも現在、電力株式会社の株価は少なくとも額面の2~3倍になっているから。同じ総公社の中には、上場して株価が7~8倍になっている会社もある。更に投資家たちの信頼を獲得するために、売れ残っている株式の引受権を分配する方法を提示。50億ドンを一人で負担するとなると大きな額だが、会社で働く数百人という従業員に均等に分ければ大した金額ではなくなる。そして売れ残った株はM社の指導部が優先的に購入できるという条件を付け加える。
このような方法で、2週間と経たないうちに4年もの間売れ残っていた50億ドンの株がきれいに完売。完売どころか、目眩がするほど株価が上がりだす始末。1ヶ月くらいの間に1株1万ドンが3万ドンに。買う人は会社の実際の経営状況がどうなのかは知る必要がなく、ただ人から人へ口コミで広まる。M社の株式を1,000株買った人にM社の財務状況についての考えを聞いてみた。すると「買えただけラッキーだった。お金を渡してちょこちょこと書いてもらったら終わりだったわ。財務状況ってなんのこと?」
ところが、企業が建設のために出資を予定しているプロジェクトは現在のところ上司の口先だけ。同じ総公社に属するある会社の社長によると、旧正月の1ヶ月前、M社は他社と合同で出資して水力発電所を建てることを総公社に申請したが、総公社は同意しなかったという。証券取引所に上場することは経理部長と社長だけが知っていた。2006年M社は50億ドンの利益があると発表したが(資本金は1,500億ドン)、監査機関はその半額しか認めなかった。幹部や従業員の給料はここ2~3年の間昇給もなく、支払も1ヶ月遅配しているというのが実態。
現在、株価を膨張させている企業は少なくない。次のような例もある。あるA総公社に属する会社社長は非常に友好的に、お手伝いしましょう、と申し出る。「自分の所にはまだ売り切れてない株が少しある。奪い合うようにして買われているけれど、あなたには優先的に数千万ドンでお売りしましょう。」この会社の経営状態がどうなのかは私たちも知っているが、社長はこう主張する。「私も水力発電所を建設するために出資します。信頼してください、これから2007年半ばまでに、あなたの2,000万ドンを6,000万ドンから7,000万ドンまで膨らませて増やしてあげますから!」
[Tuoi Tre 3/2]
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