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[ホーチミン証取]
ホーチミン証取、DHGとSFIの不思議

[2007/06/28 21:29 JST更新]

 6月26日までにホーチミン証取に上場している銘柄のうち、株価が20万ドンを上回る銘柄は7銘柄のみである。この7銘柄のうち、目立たないように黙っているように見えるのが、ハウザン製薬「銘柄コード:DHG]とサフィ運輸代理[銘柄コード:SFI]である。
 この2銘柄は急騰グループ銘柄には属さず、またサイゴン証券[銘柄コード:SSI]が出した時価総額上位20銘柄名簿にも載っていない。現在、DHGの株価は40万9,000ドンであり、ホーチミン証取でとビンディン鉱産[銘柄コード:BMC] とバー山・タイニンロープウエー[銘柄コード:TCT]の株価のみに負けている(6月27日時点。28日にはTCTを抜いて第2位となった。)。
 DHGの主要な事業は薬剤・薬品の輸出入、生産設備の輸出入、資産運用と不動産投資などである。株式会社化を行った2年後、DHGの株主資本は1,610億ドンに達した。2007年度第1四半期の売上高は3,500億ドン、税引後利益が300億ドン弱に達した。2006年度の売上高は8,000億ドンに上り、税引後利益が870億ドンであった。おそらくこの好業績が多くの投資家を挽きつけたため、株価は4月24日の23万1,000ドンから40万9,000ドンへ上昇したのだろう。
 ところが、最も印象なことと言えば、DHGが80万株の株式競売をこれまでもっとも高い最低公募価格(21万6,000ドン/株)で6月20日に行い、全ての株式が購入された、ということだ(ホーチミン証取からは正式な競売結果情報がまだ出ていないが)。
 投資家のチャン・フィ・ホアン氏が、6月25日にDHG株500株を買った理由は、海外投資家がDHG株を購入しているので、株価が更に上がるだろうと見込んだからだ。先日も、シティグループが2万2,000株を購入し、保有株式数を41万4,000株に増やしたばかりだ。
 しかし、DHG株価の急騰には慎重に対処すべきという意見が多かった。現在ベトナム株式市場ではPERが40以下であれば比較的安全と言われるが、DHG株のPERは46.98に上がったからだ。
 一方、DHGの売上高利益率が10%より少し上回る程度であり(2006年の売上高利益率=870億ドン/8,000億ドン=約10.88%)、他企業の売上高利益率よりとても高い、ということもない。また8月6日には200万株が追加上場されることになるので、DHG株価にも影響が出るだろう。そして80万株の株式競売の最大落札価格が僅か34万2,000ドン/株だったこと(平均落札価格は31万9,594ドン/株)も、投資家がDHG株を買うかどうか判断するための材料となるだろう。

 DHGのように有名な銘柄ではないが、SFIは以前株価が大きく上昇した銘柄の一つである。SFIの株価は、2006年12月29日の上場初日の11万ドンから現在の20万1,000ドンに上昇した(ピークは2007年3月5日の24万3,000ドン)。海運フォワーディング業界でSFIの先輩と言われる総合フォワーディング・ジェマデプト[銘柄コード:GMD]も既にホーチミン証取に上場しているが、GMDの株価はSFIの株価が既に達したレベルには上昇したことがない。そして、SFIの株価は長い間続落した後に、現在ではほぼ横ばいになっているが、以前は多くの投資家に、国家証券委員会に調査されている最近の急騰銘柄と似ている、と思われていたのだ。それはSFIはホーチミン証取で流通株式数が最も少ない銘柄の一つだったためである(113万8,500株)。
 資本金が僅か110億ドンであるのに対して、2006年度の利益が160億ドンに上ったという情報が発表された後に、SFIの株価は大きく上昇した。しかし、SFIの負債が970億ドンを上回り、2007年度第1四半期の利益が20億ドンしかなかったということが発表されてから株価は大きく反落した。
 SFIの株価が長い間大きく上昇した理由は流通株式数が少なすぎたためだ。更にSFIのインフラ建設合弁社の情報が正式に発表されてないのに、市場には次々と情報が溢れていた。その後、SFIは113万8,000株の新株発行を正式に発表し、そして噂が現実と大きく違ったということがはっきりした時から、SFIの株価は実質価値に近付くことになったのだ。
 投資家たちの見方では、今後SFIに関する特別な情報が出されなければ、株価は20万ドン以下に下がり、GMDの株価に近づく可能性があるという。
 好業績を得ている銀行、証券、不動産などの株が下落しているのに、DHGやSFIの株価が値嵩株銘柄グループに知らぬ間に入ったことはかなり不思議なことだが、本当に面白いかどうかは、今後市場に評価されるだろう。それにしても、DHGとSFIという二つの例から引き出されるのは、株価は伝統的な指数(ファンダメンタル指数)に依存するのみではない、ということなのだろう。

[Vietnamnet 6/27]


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