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[市場概況]
10年末、注目度が高いのはどの業種?
[2010/09/18 10:00 JST更新]
1、銀行・金融銘柄
中銀による通達13号で、自己資本比率(CAR)は8%から9%に引き上げられ、証券投資融資や不動産投資融資などに対するリスク指数も引き上げられることとなる。また貸付金利が上昇傾向に回帰していることもあって、各銀行の貸付金残高は年末まで伸び悩む可能性が高い。したがって銀行・金融銘柄は引き続き低迷する見通しである。
2、不動産銘柄
不動産購入者の権利を保護し、不動産取引に関する明確な項目を詳細に規定する政令71号が10年6月23日に公布され、その後8月8日から発効となったことで、不動産市場に前向きな影響を与えることが期待されている。この政令が発効となったことで、国民の不動産取引の形態はブローカー経由から、不動産取引所経由に移行すると見込まれている。
政令71号では複数の不動産投資向けの資金調達手法が規定されている。その内、投資主は資金調達のために債券の発行が可能となるものの、住宅購入の権利付き債券の発行が禁止されている点は注目に値する。中低所得者向けのマンションの階数が制限されなくなったことも、販売価格の引き下げに繋がると期待されている。
長期的な視野に立てば、不動産銘柄は高い評価を受けている。
3、鉄鋼銘柄
8月上旬に鉄鋼価格は30~50万ドン(約1300~2100円)/t上昇した。安値を付けた第2四半期末から現在まで鉄鋼価格は合計で300~400万ドン(約1万2900~1万7200円)上昇し1500~1550万ドン(約6万4400~6万6500円)/tとなっている。9月から乾季に入るため、年末までの売れ行きは良くなる見通しである。
4、製糖銘柄
砂糖の輸入クオータはおよそ10万tとかなり大きいが、財務省は粗糖の輸入関税率を引き下げるという提案を却下したため、精糖価格は年末まで引き続き高止まりする見通しである。
ブラジルやタイ、オーストラリア、インドなどの砂糖輸出国では豊作となるとの予測から11年になって供給増により砂糖価格は大きく下落する見通しである。
5、天然ゴム銘柄
ベトナムゴム協会は10年のゴム輸出は高確率で年間計画以上を達成するという見方を示している。10年の全国の収穫量は77万tと前年比6.4%増加し、輸出額は15億ドルと前年比22.3%増加する見通しである。
中国やマレーシア、韓国、台湾、インドなどの輸入業者は過去数ヶ月輸入量を増やしたことで国際市場における天然ゴム価格は上昇傾向に復帰している。中国や日本などのゴム輸入国の在庫が著しく減少していること、加えてゴム輸出国であるタイのゴム農園の豪雨による被害が拡大し収穫量が減少したことは、ベトナムがシェアを獲得する大きなアドバンテージとなっている。
[www.stox.vn, 08:58 GMT+7, 14/9/2010]
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