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[マクロ経済]
ベトナムが下半期に直面する4つの経済困難

[2015/07/06 19:51 JST更新]

  国家財政監視委員会(NFSC)は6月度の月次報告で、2015年上半期の順調な経済状況を前向きに捉える一方で、下半期には国の経済が4つの大きな困難に直面するとの見解を示した。

  1つ目の困難は、貿易赤字。2015年上半期の貿易赤字額は▲37億5000万USD(約▲4600億円)に達し、輸出額の4.8%に相当している。このうち、外資セクターが60億7000USD(約7500億円)の黒字であるのに対して、国内セクターは▲98億3000万USD(約▲1兆2100億円)の赤字という相反した結果となっている。

  2つ目は、農林水産分野の成長が鈍化していること。同分野の2015年上半期の国内総生産(GDP)成長率はわずか2.16%で、不景気だったとされる前年同期の2.96%を更に下回る結果となった。 

  3つ目は、国家予算の歳入が伸び悩んでいること。2015年年初から6月15日までの歳入は前年同期比+7.8%増の小幅な増加に留まった。2014年上半期の歳入は前年同期比+16.2%増だったことからも、歳入が低迷していることが浮き彫りになっている。歳入が伸び悩んでいる背景には、世界的な原油価格の大幅下落を受けて、国家予算歳入に大きく寄与する原油による歳入が前年同期比で▲32.5%減少していることがある。

  4つ目は、国債発行が難航していること。年初から6月17日までに発行できた国債の総額は71兆9500億VND(約4100億円)で、前年同期と比べて▲47%も減少した。3月以降、国債金利が上昇傾向にあり、資金を調達する政府にとって発行の条件が不利になっている。

  NFSCは、国債発行が難航している原因として、◇今年に入ってから償還期限5年以上の国債のみが発行され、投資家が金利変動を予想しにくくなったこと、◇融資額が順調に伸びている中で、商業銀行各行が国債投資を抑制する傾向が強くなっていることなどを挙げた。

[VNEconomy, 15:37 (GMT+7), 1/7/2015]


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