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[ホーチミン証取]
19~20年のM&A企業トップ10、取引4件のマサンに注目
[2020/11/30 17:21 JST更新]
ホーチミン市でこのほど開催された「2020年M&Aフォーラム」で、2019~2020年の代表的な合併・買収(M&A)企業トップ10が発表された。この中で、マサングループ[MSN](Masan Group)のM&A取引4件が特に目立った。
MSNは昨年末に、ビングループ[VIC](Vingroup)からスーパーマーケット「ビンマート(VinMart)」とコンビニエンスストア「ビンマート・プラス(VinMart+)」の小売チェーンを運営するビンコマース貿易サービス(ビンコマース=Vincommerce=VCM)を買い取った。VCMの今年1~9月期売上高は23兆6780億VND(約1080億円)で、MSNの売上高全体の42.5%に貢献した。
MSN子会社のマサンHPC(Masan HPC)は2月、創業50年以上の老舗洗濯洗剤メーカーネット洗濯洗剤[NET](Net Detergent)株52%を取得するため31億USD(約3260億円)を投じた。NETは1~9月期売上高が前年同期比+38%、税引後利益が同+93%の大幅な増収増益だった。
MSN子会社のマサンハイテク材料[MSR](Masan High-Tech Materials)は6月、ドイツの非鉄金属メーカーであるエイチ・シー・スタルク(H.C. Starck)からタングステン事業を買収した。10月には、三菱マテリアル株式会社(東京都千代田区)との間で、MSRが行う第三者割当増資の引受についての最終契約書を締結した。これについてMSRはこのほど、三菱マテリアルがMSR株1億1000万株(保有率10%)を取得したことを明らかにした。取引額は9000万USD(約95億円)。
MSN子会社のマサン・ミート・ライフ[MML](Masan MEATLife)は10月、3Fベト(3F Viet)株51%の取得に6130億VND(約28億円)を投じ、鶏肉市場に参入する計画を明らかにした。
このほか、2019~2020年の代表的なM&A取引(MSNを除く)は以下の通り。
◇韓国のKEBハナ銀行(KEB Hana Bank)によるベトナム投資開発銀行[BID](BIDV)株の15%取得
◇米投資ファンドKKRやシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングス(Temasek Holdings)などの投資家グループによるビンホームズ[VHM](Vinhomes)株の6%取得
◇タイ電線大手のスターク・コーポレーション(Stark Corporation)によるティンファットケーブル(ThiPha Cable)とドビナ・メタル&プラスチック(Dovina Metal & Plastic)の完全買収
◇住友グループ傘下の住友生命保険相互会社(大阪府大阪市)によるバオベトグループ[BVH](Baoviet Holdings)株の4.6%追加取得
◇ザインコイ・ホールディングス(Danh Khoi Holdings)による不動産案件「サンフロンティア(Sun Frontier)」の買収
◇あおぞら銀行(東京都千代田区)によるフオンドン銀行(Orient Commercial Bank=OCB)株の15%取得
◇香港を拠点とする保険会社FWDグループによるベトコムバンク・カーディフ生命保険(Vietcombank Cardif Life Insurance=VCLI)の完全買収
◇ ビナミルク[VNM](Vinamilk)とGTNフーズ[GTN](GTN Foods) によるモックチャウミルク(Moc Chau Milk)の株式取得
[Tuoi Tre 09:00 25/11/2020]
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