衛生機器メーカーのアサヒ衛陶株式会社(大阪府大阪市)は3月31日開催の取締役会で、地場デベロッパーのザインコイグループ[NRC](Danh Khoi Group)との業務提携基本合意書の締結を決議した。
同社が発表した予定によると、4月1日に業務提携契約書の締結、同日に業務提携開始となっている。
アサヒ衛陶は、2019年策定の中期経営計画において成長戦略の柱として位置付けた、同社住宅設備機器の海外市場での拡販に向けて、子会社のビナアサヒ(VINA ASAHI)をホーチミン市に設立し、海外での事業拡大を進めてきた。
しかし、コロナ禍により、この海外事業展開は見通しの立たない時期が続き、2022年に新たな中期経営計画を策定し、住宅設備機器製造事業から派生する事業を事業多様化戦略により展開すべく転換を図ることとなった。
こうした中、海外市場への拡販は同社の成長には欠かせない事業であり、世界的なウィズコロナ施策への転向を期に、同社としても改めて海外事業を構築すべき時期であるとの判断から、施策の1つとしてNRCと相互の増収増益に寄与する提携関係の構築について合意に達し、基本業務提携契約の締結を決めた。
NRCは、アサヒ衛陶、特にビナアサヒの製品の販売の拡充に協力する。また、アサヒ衛陶とビナアサヒは、NRCに対して顧客先及びその他取引先を紹介することにより、NRCの売上高と取扱高の増収・拡充に協力する。
なお、NRCは東急株式会社(東京都渋谷区)と東南部地方バリア・ブンタウ省ブンタウ市において分譲マンションの共同事業も手掛けている。NRCが手掛ける大規模集合住宅や大型総合開発案件といった不動産開発案件にアサヒ衛陶製品を導入することは、ビナアサヒにとっても大きなプロジェクトになると見込まれる。