サコム通信ケーブル株式会社[銘柄コード:SAM]は、年内に実施する持ち株会社への業態転換の一環として複数の子会社を設立する、と発表した。
3月10日に株主総会で決議されたマスタープランによると、既存のテレコム通信用資材工場と木製巻線工場(南部ドンナイ省のロン・タン工業団地)を株式会社に転換する。それぞれに50億ドン(約3,700万円)を投じて49%の持ち分を持つ予定。残り51%は自社従業員や外国投資家を想定している。また、新たに高層ビルや建設用のプラスチック管工場(株式会社)を、ほかの提携相手とともに立ち上げる。こちらもサコムが49%(60億ドン)を出資する予定。
これとは別に、不動産開発会社(株式会社)を他社と共同で設立し、ドンナイ省ニョン・トラックに複合ビラ施設を開発する。サコムのドー・ヴァン・トラック会長兼CEOによると、この複合施設の顧客ターゲットはホーチミン市9区サイゴンハイテク団地の進出企業。この物件に関しては既に110億ドンを使って土地使用権を取得し、(土地使用権の追加取得のために)年内に数千億ドン規模の追加投資をする。この複合施設の総面積は70ヘクタールに及ぶ計画。
また、ファイバー・オプティック・ケーブル・アンド・アクセサリーズ社(Focal社)の投資許可証が間もなく満了することを受け、Focal社の米国パートナーの持ち分を取得する。ちなみに、Focal社は、米国コーニング・インコーポレーテッド社傘下のコーニング・ケーブル・システムズ社と、ベトナム郵政通信公社(VNPT)との間の折半合弁事業(50:50)。サコムは現在、7つの企業に合計900億ドンの持ち分を保有している。
一方、株主総会では、サコムの定款記載資本を現在の2,800億ドンから4,210億ドンに増資する計画も承認された。同社は利益剰余金を活用して、既存株主に新株を発行する予定(保有2株につき1株を交付)。