サイゴン商信株式商業銀行(サコムバンク)[銘柄コード:STB]のダン・バン・タイン会長は2月25日以降200万株の自社株を購入する予定だが、タイン会長の現在の保有株式数は1,440万4,710株(保有率:3.23%)であり、取引後の保有株式は1,640万4,710株(保有率:3.687%)にも達することになる。
STBは3月17日に2007年度定時株主総会を行う予定であるが、タイン会長の上記の動向は株主の心理を安定させるためだろうか、或いはストップ安が続いた株価を救済するためだろうか?
国際金融公社(IFC)は1ヶ月前、STB株800万株を売却すると発表したが、タイン会長が、相対取引でIFCから200万株を購入する可能性が高い。銀行における海外投資家の保有率は30%までとされているが、STB、及びもう1つの上場銀行であるアジア株式商業銀行(アジアコマーシャル銀行)[銘柄コード:ACB]における海外投資家の保有枠は常に一杯である。もしもタイン会長が海外投資家であるIFCから株式を購入すれば、海外投資家保有率が縮小するはずである。
2007年8月21日に証券保管センターの職員のミスにより、STBにおける海外投資家の保有率が49%までと勘違いされ、海外投資家はこのまたとないチャンスをすぐに掴み、その日の売買高の半分を占める120万9,380株を購入したことは記憶に新しい。その前の営業日の売買高は僅か72万6,980株で、海外投資家の取引は全くなかった。
あの時と現在とでは、同じような点がいくつかある。あの8月21日の事件の後、市場は迅速に回復していったのである。現在のSTBの株価も6ヶ月前のあの時とだいたい同じ水準である。今回も再びSTBは下落し続けてきた市場の反発を引き起こすことができるのだろうか。
もしも、IFCが2月25日に200万株を売却するとすれば、清算日はT+3であるため、29日には海外投資家保有率が0.449%下落することになる。多くの企業の役職者が自社株を一斉に売却しようとしている中で、タイン会長のその動向は、投資家に高く評価され、株主の心理に良い影響を与えている。
・1月の税引前利益:1,573億ドン(約10億7,010万ドン)(前年同期比:157%増)
・調達資金:60兆2,980億ドン(約4,101億9,050万円)(前年同期比:159%増)
・貸付残高:40兆2,520億ドン(約2,738億2,310万円)(前年同期比:157%増)
・総資産:69兆9,170億ドン(約4,756億2,590万円)(前年同期比:162%増)
2007年度業績
・税引前利益:1兆1,452億ドン(約77億9,050万円)(前年比:167%増)
・税引後利益:1兆2,800億ドン(約87億6,710万円)(前年比:213.8%増)
・EPS:3,647ドン
・(2月21日の株価5万3,500ドンによる)PER:14.66倍