ベトナムで、かつてないほどカフェチェーン市場の動きが活発化している。ビジネスデータ提供サービスを営むベトデータ(Vietdata)の2022年カフェブランドチェーン市場報告書によると、ベトナムにおけるレストラン・ドリンクチェーン市場規模は年間およそ13億USD(約1940億円)となっている。
しかしながら、食品・飲料(F&B)チェーンの市場参入度は5%程度に過ぎない。これは主に、ベトナム人が路上などにある便利な小規模店を好むことがある。店舗で提供されるドリンクへの支出も東アジア諸国より低く、将来的な大きな成長機会があると言える。
ベトデータによると、世界的な景気後退の影響をものともせず、2023年はベトナムのF&B市場が活発に動いた。コロナ禍を経ても各ドリンクブランドは生き残っており、店舗の規模とシェアの拡大を図っている。
ベトデータによると、2023年のベトナムのカフェショップの数は、ハイランズ・コーヒー(Highlands Coffee)、フックロン(Phuc Long)、チュングエン(Trung Nguyen)などの有名ブランドの拡大により大きく増加した。2021年3月から2023年2月までに、シェアトップ3のハイランズ・コーヒー、フックロン、スターバックス(Starbucks)は、新たに1000か所あまり店舗を拡大している。
大ブランドだけでなく、「フェーラー(Phe La)」、「カティナ・サイゴン・カフェ(Katinat Saigon Kafe)」、「チーズコーヒー(Cheese Coffee)」など、ベトナムの新しいドリンクブランドの競争も激化している。また最近では、市場参入からわずか5年の中国系タピオカミルクティーブランド「ミーシュー(MIXUE)」も、2023年4月にベトナムで1000店舗を達成している。