世界銀行(WB)は10日に発表した世界経済に関する最新レポートの中で、2023年におけるベトナムの国内総生産(GDP)成長率予想を+4.7%に下方修正した。2024年と2025年のGDP成長率はそれぞれ+5.5%、+6.0%となる見込み。
WBは、国内需要が今年のベトナムのGDP成長のけん引役になると予測している。同年の個人消費の伸び率は前年比+6%増加する見通しだが、コロナ禍前の2019年の7%を下回る。同年の民間投資は前年比+4.3%増加し、GDP成長率に+1.2%pt貢献する。公共投資は同+9.5%増加し、GDP成長率に+0.6%pt貢献する。
また、2023年の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比+3.5%に上昇すると予想されている。2024年と2025年の上昇率は+3.0%を維持する見込み。
ベトナムが直面する課題については、◇先進国のGDP成長率が予想より低下すること、◇中国市場の輸入需要が低下すること、◇世界の金融市場が不安定になること、◇先進国の金融引き締め政策が続くこと、◇気候変動のリスクが高まることが挙げられている。
なお、統計総局(GSO)の発表によると、2023年1~6月期のGDP成長率(推定値)は前年同期比+3.72%で、前年同期から減速した。また、2022年のGDP成長率は+8.0%だった。