ウーバー(Uber)やグラブ(Grab)などの配車アプリを活用したチャーター車両による輸送サービスが急速に普及していることを受けて、激しい競争に晒されているタクシー大手のビナサンタクシー[VNS](Vinasun)は、新事業で配車アプリに対抗している。
同社の2017年年初9か月の業績は、売上高が前年同期比▲28.8%減の2兆4508億VND(約123億円)、親会社株主帰属利益が同▲39.4%減の1461億VND(約7億3000万円)で、引き続き減収減益となった。
売上高を事業別に見ると、従来型のタクシー事業による売上高は全体の76.5%を占めたが、前年同期の97.2%から大きく縮小した。一方、チャーター車両による輸送サービス事業の売上高は同8.8%となり、前年同期の2.0%から拡大した。また、同期にフランチャイズ(FC)で展開するタクシー事業の売上高を初めて計上し、同事業の売上高構成比率は13.9%となっている。
同社の9月末時点での従業員数は7292人で、2016年末時点と比べて▲1万人減少している。労働契約を解約された運転手の一部はチャーター車両による輸送サービスやFCのタクシーサービスで引き続き同社と協力している。ただし正社員ではないため、同社はこうした運転手に対する社会保険の付保を義務付けられていない。