2019~2020年の新学年度までまだ2か月余りもあるが、事務用品メーカー大手のティエンロン文房具グループ[TLG](Thien Long Group)とホンハー文房具[HHA](Hong Ha Stationery)がシェア拡大に向けた準備を急いでいる。
TLGの全額出資子会社で流通事業を手掛けるティエンロン・ホアンカウはこのほど、販売代理店に支払う報酬に関する優遇策を発表したほか、販売者に対し看板やライトボックス、棚、展示品などの購入を支援する方針だ。さらに、マーヴル・スーパーヒーローズなどの有名なキャラクターの使用権を引き続き契約する。
一方、HHAは3月末にブランド改革を行い、構造改革を進めている。同社は北部地方を中心に約100の販売代理店と1万余りの小売店を有しており、流通網の拡大と研究開発(R&D)活動に注力している。
<2017~2018年の事務用品メーカー大手2社の業績> 単位:十億VND
TLGは、2018年の売上高が前年比+14.3%増の2兆8558億VND(約135億円)、税引後利益が同+10%増の2944億VND(約14億円)だった。一方、HHAは2018年の売上高が前年比+14%増の6795億VND(約32億円)、税引後利益が同+25.5%増の349億VND(約1.65億円)だった。
国内の事務用品ブランドには、「ベンゲー(Ben Nghe)」、「ハイテェン(Hai Tien)」、「ビンティエン(Vinh Tien)」などがある。このほか、「Plus」、「Kokuyo」、「Maped」、「Deli」などの海外ブランドもひしめいている。年内にタイ、中国、インド、韓国、日本、ヨーロッパ諸国から事務用品メーカーがベトナム進出や事業拡大を計画している。これにより、国内の事務用品市場は競争が熾烈化すると予想されている。