ハノイ市人民委員会はこのほど、社会的隔離措置の実施中に展開が許可された重点案件リストを承認した。これには、地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンスマート(VinSmart)が投資主を務める新型コロナウイルスワクチン生産工場案件が含まれる。
工場は、同市タックタット郡ホアラックハイテクパーク(HHTP)内に建設され、年産能力は1億~2億回分となる見込み。臨床試験は8月中に行われる予定。
VICは最近、米国のバイオ製薬会社アークトゥルス(Arcturus)に対して新型コロナウイルスワクチンの生産技術移転について交渉を働きかけた。これに先立ち、同社はワクチン生産を手掛ける子会社「ビンバイオケア(Vinbiocare)」を設立している。ビンバイオケアの資本金は2000億VND(約9億6000万円)で、VICが株式69%を保有する。
VICのファム・ニャット・ブオン会長は2021年定時株主総会で、ビンバイオケアはワクチン生産だけでなく、バイオテクノロジーエコシステムの構築を目指しているとした。また、ベトナムが新型コロナと戦う間、このワクチンプロジェクトを非営利目的で実施することを明らかにした。