オーストラリア外務貿易省は、リチウムイオンバッテリー技術の研究開発と電気自動車(EV)用バッテリーの持続可能な生産のサポートを目的に、アジア開発銀行(ADB)管理下の豪州気候金融パートナーシップ(Australian Climate Finance Partnership=ACFP)を通じて、地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンESエネルギーソリューションズ(VinES=ビンES)に対し、50万USD(約6800万円)の融資を行う。
これにより、ビンESはオーストラリアなどと協力して研究開発を展開し、以下の課題の解決策を考案する。
◇国内EVメーカーのバッテリー需要予測に基づき、ベトナムにおけるバッテリー生産のための多様かつ持続可能なサプライチェーンを開発する。
◇EV用バッテリーの再利用・リサイクルにおける最適なソリューションを特定する。
◇EVサプライチェーンにおける雇用創出と労働者のスキル向上の機会を確立する。
今回の融資は、ADBとオーストラリア政府の低炭素経済への移行におけるベトナムへの戦略的支援の一環として行われるもの。
なお、ベトナムは、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)におけるコミットメントの実施を目指し、2050年までに「カーボンニュートラル」を達成することを目指している。
オーストラリア政府はこれに先立つ2022年11月、ベトナムのEVおよびEV用インフラ開発を目的に、ACFPと豪州輸出金融公社(Export Finance Australia=EFA)を通じて、VIC傘下のEVメーカーであるビンファスト(VinFast)に対し、5000万USD(約68億円)の融資を行うと発表した。