グエン・ホン・ジエン商工相は、ドナルド・トランプ米大統領が発表したベトナムに対する「相互関税」について、両国間で協議の時間を作り、双方が納得する解決策を模索すべく措置の一時保留を求める公文書を送付した。
トランプ大統領は2日、貿易不均衡から米国経済を守るためとして、世界各国からの輸入品に対し「相互関税」を課すと発表した。180以上の国・地域に一律10%の関税を課した上で、国・地域ごとに異なる税率を上乗せする。ベトナムに対しては計46%の追加関税を課すとし、同措置を4月上旬から適用するとした。
今回の措置について商工相は、「科学的な根拠に乏しく、公平性を欠いている」と指摘した上で、両国製品は相互補完の関係にあり、直接的な競合関係にはないと強調。また、ベトナム製品は米国消費者にとって、手頃な選択肢を提供していると述べた。
商工省は現在、米国商務省との間による大臣レベルの電話会談と、米国通商代表部(USTR)との実務レベル協議を調整中。また今週末には、ベトナム政府のミッション団が渡米して、関税問題に関する直接交渉を行う予定となっている。
交渉が不調に終わった場合、2025年の輸出目標(前年比+12%増の4500億USD=約66兆円)達成への影響が懸念される。
財政省傘下の税制政策局がUSTRの報告を引用して伝えたところによると、ベトナムが米国製品に適用している平均関税率は9.4%程度にとどまっている。同局は、米国の課税根拠は単なる税率だけでなく、様々な要素を考慮したものとみている。ベトナムの関係機関は、この課税根拠を詳しく分析し、適切な対応策を講じていく方針だ。
米国による「相互関税」の影響を軽減すべく、企業各社は今後、ベトナムが締結している60か国・地域以上との17の自由貿易協定(FTA)や、70の二国間協力メカニズムといった既存の強みを最大限に活用することが求められる。また、商工省は中東、南米、中央アジアなどの新興市場とのFTA交渉を推進していく方針を示している。