最近、ベトナム国内の大手小売各社が相次いで腕時計販売市場に参入している。この背景には、同市場の開発余地が大きいほか、利益率が極めて高いことがある。
宝飾品大手フーニュアン・ジュエリー[PNJ](Phu Nhuan Jewelry)が2018年に発表したデータによると、ベトナム国内の腕時計市場の規模は7億5000万USD(約840億円)近くに上るが、20%以上のシェアを有する販売業者はまだ現れていない。また、利益率は60~70%にも達し、このことが小売大手にとっての魅力となっている。
PNJは今年に入り、腕時計販売を本格的に開始した。ジュエリー販売店での販売のほか、腕時計専門店「PNJウオッチ(PNJ Watch)」20店舗を展開している。
PNJと同じく宝飾品大手のドジ(Doji)は、2018年末から腕時計の販売を試験的に行っており、1000万VND(約4.9万円)以下の価格帯の複数のブランドを取り扱っている。
また、携帯電話小売・家電小売最大手のテーゾイジードン投資[MWG](Mobile World Investment)は、3月初めに腕時計の販売を開始した。同社はホーチミン市フーニュアン区のファンダンルウ通りにある携帯電話専門店「thegioididong.com」に腕時計販売スペースを設置し、さらに電子商取引(eコマース=EC)サイトでのオンライン販売も展開している。