情報通信省傘下の電子新聞「ベトナムネット(Vietnamnet)」はこのほど、同省傘下の情報セキュリティー局と協力し、セミナー「Make in Vietnamクラウドコンピューティングの推進」を開催した。
セミナーには、ベトナムインターネット協会(VIA)やベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)、ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Group=VNPT)などの業界関係者が出席。クラウドコンピューティング市場の現状などについて情報を共有し、市場を後押しする方策について話し合った。
セミナーでの発表によると、ベトナムのクラウドコンピューティング市場の規模は年間ベースで約1億3300万USD(約140億円)となっている。
2020年11月現在、国内の企業11社がサーバー27万台を含むデータセンター27か所を国内で運営しているが、そのシェアは2割程度に留まっており、残る8割を占めるのが海外のクラウドサービス事業者だ。
クラウドコンピューティング市場の規模は今後、年平均+30~40%のペースで拡大の一途を辿り、2025年までに5億USD(約530億円)に拡大するものと見込まれる。
情報セキュリティー局のグエン・カック・リック副局長は、「情報通信省の方針として、今後5~10年でクラウドコンピューティングを新たな通信プラットフォームとする」と発表した。
同市場が飛躍的な成長を遂げることが予想される背景として、◇新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延する中、クラウドコンピューティングを介したサービスに対する需要が増加すること、◇ベトナム政府が電子政府事業に注力していること、◇国内の多くの分野でデジタル・トランスフォーメーション(DX)が進んでいることなどが挙げられる。