バイク市場調査会社のモーターサイクルズデータ(Motorcycles Data)が発表した最新の調査によると、販売価格や充電インフラの未整備が、ベトナム人の間で電動バイクの人気が高まらない主な要因となっている。
同調査によると、2022年にベトナムで出荷された電動バイクの数は前年に比べ+22%増加したが、販売台数はガソリンバイクと比較すると控えめだった。地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)の傘下で、電動バイク大手メーカーであるビンファスト(VinFast)も、2022年の電動バイクの月平均販売台数は1万5000台にとどまった。
多くのベトナム人がまだ電動バイクに興味を持っていないのにはいくつかの理由があるが、中でも充電インフラの不足が最大の問題となっている。電動バイクは1回の充電で走行できる距離が短く、充電インフラが未整備であることから長距離移動には不便だと指摘されている。
さらに、電動バイクの販売価格もガソリンバイクに比べて高価だ。例えば、ビンファストの「クララS(Klara S)」の販売価格は、バッテリーをレンタルする場合は3690万VND(約20万7000円)、バッテリーを購入する場合は5680万VND(約32万円)となる。また、ダットバイク(Dat Bike)の「ウェーバー200(Weaver 200)」は5490万VND(約31万円)、ヤマハモーターベトナム(Yamaha Motor Vietnam=YMVN)の「ネオス(NEO’S)」は5000万VND(約28万円)で販売されている。
それだけでなく、電動バイクのバッテリーも3~4年ほど使用すると蓄電能力が低下するため、交換する必要がある。特にリチウム電池を使用するモデルの場合、このコストは小さくない。
しかし、ますます多くの大手ブランドがベトナムの電動バイク市場に参入していることにより、将来的には電動バイクがベトナムで人気の移動手段になることが見込まれている。