ベトナム国家銀行(中央銀行)は、脆弱な商業銀行4行に「強制移管措置」を適用すると明らかにした。
対象の4行は、◇オーシャンバンク(OceanBank)、◇GPバンク(GPBank)、◇ベトナム建設銀行(CBバンク=CBBank)、◇ドンアバンク(DongABank)。
「強制移管措置」は、脆弱で特別監視措置を受けている金融機関の出資者に対し、すべての出資分を中央銀行、または中央銀行が指定した金融機関に強制的に譲渡させるというもの。具体的な実施計画は関係機関が策定中だ。
2022年10月から特別監視措置を受けているサイゴン商業銀行(SCB)について、中央銀行は、再編計画の策定に向けて全体的な状況を評価するための作業を進めている。中央銀行によると、SCBの状況は「制御下にあり、徐々に安定しつつある」という。
SCBは民間商業銀行の中で最大規模の資産を持つ商業銀行。しかし、2022年10月にタンベト証券(TVSI)の会長 兼 社長でSCBの取締役を務めていたグエン・ティエン・タイン氏(男性・当時49歳)が脳卒中で急死し、さらに同行と深いコネクションがあるとされる華僑系不動産大手VTPグループ(Van Thinh Phat Group)のチュオン・ミー・ラン会長(女・67歳)が社債発行をめぐる詐欺・資産横領容疑で逮捕されたことを受け、多くの預金者がSCBに殺到していた。
ファム・ミン・チン首相は関連機関に対し、SCBの再編計画の策定にあたり、公的資産の損失や政策の不正利用が発生することのないよう、着実かつ適切に行うよう指導した。