新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続いているにもかかわらず、2020年通年における在外ベトナム人(越僑や海外派遣労働者など)からの本国送金額は前年比+3%増の172億USD(約1兆8900億円)に増加し、小幅ながらも成長を維持した。世界銀行(WB)が先般発表したレポートで明らかになった。
この本国送金額は、前回レポートの推定値である前年比▲7%減の155億USD(約1兆7000億円)を12.9%上回った。
ベトナムの2020年における本国送金額は世界9位となり、アジア太平洋地域では中国とフィリピンに続く3位となっている。
ベトナムの2020年における国内総生産(GDP)に対する本国送金額の比率は5.0%で、この比率は2019年の6.5%から若干低下した。
世界の本国送金額を全体的に見ると、中国を除いて中低所得国への本国送金額は各国への海外直接投資(FDI)と政府開発援助(ODA)の合計額を上回る計算となる。
本国送金額は中低所得国の経済を支える重要な柱となっており、ベトナムでは本国送金額が為替市場、ひいてはマクロ経済の安定化に大きく貢献している。