国際通貨基金(IMF)はこのほど発表したベトナムのマクロ経済に関する最新レポートの中で、ベトナムの2022年における国内総生産(GDP)成長率予想を3か月前の予想値である+6.0%から+7.0%へと引き上げた。アジアの経済主要国では最大の引き上げ幅となっている。
IMFがベトナムのGDP成長率予想を引き上げた理由としては、政府の経済振興策により、アフターコロナの国内経済が1~6月期に力強く回復していることがある。特に、製造業や小売業、観光業が経済成長をけん引している。
一方、IMFは2023年のベトナムのGDP成長率予想を+6.7%とし、事前の予想値から▲0.5%引き下げた。ただし、これはアジアの経済主要国で最大の成長率となっている。
ベトナムのインフレ状況についてIMFは、「2022年1~7月期の消費者物価指数(CPI)が上昇したものの、ベトナム国家銀行(中央銀行)の目標値+4.0%をまだ下回っている。ただし、輸送費の増加、肥料や畜産飼料などの価格上昇がインフレ圧力を高める可能性がある」との見方を示した。
この他、IMFは2022年と2023年のアジア全体のGDP成長率予想をそれぞれ+4.2%、+4.6%へと引き下げた。