香港上海銀行(HSBC)は先般発表したレポートの中で、ベトナム国家銀行(中央銀行)が利上げを実施する可能性は低いとの見方を示した。この背景には、ベトナム中央銀行が、経済回復や為替相場の安定化を目指していることがある。
HSBCによると、力強い海外直接投資(FDI)の流れが経済成長の後押しに重要な役割を果たしている。1~4月期の製造業へのFDI認可額は前年同期比+50%増えた。同期の実行額は60億USD(約9400億円)を超え、1~4月期として直近5年で最高を記録した。
また、地域内で観光客誘致競争が激化している中、ベトナム政府が検討しているビザ(査証)免除拡大などの措置が観光刺激に重要な役割を果たすと見られる。
HSBCはこのほか、4~6月期のインフレ上昇率について、前年同期比+4.5%超の上昇を見込んでいるが、7~9月期には同+4.0%未満に減速すると予想している。