ベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学=VNU-HN)傘下経済大学(UEB)附属の経済政策研究センター(VEPR)は17日に発表したレポートの中で、2024年におけるベトナムの国内総生産(GDP)成長率を+5.5~6.0%と予想した。
1~4月期におけるベトナムの貿易と海外直接投資(FDI)は共に好調だった。統計総局(GSO)が発表した統計データによると、同期の輸出額は前年同期比+15.0%増の1236億4000万USD(約19兆2878億円)、輸入額は同+15.4%増の1152億4000万USD(約17兆9774億円)へと順調に増加した。これにより、同期の貿易収支は84億USD(約1兆3104億円)の黒字となっている。
また、計画投資省海外投資局(FIA)によると、1~4月期のFDI認可額(推定値)は前年同期比+4.5%増の92億7000万USD(約1兆4500億円)、実行額(推定値)は同+7.4%増の62億8000万USD(約9800億円)に増加し、1~4月期として直近5年で最高を記録した。さらに、同期の鉱工業生産指数(IIP)は前年同期比+6.0%増となっており、経済成長に貢献している。
一方、懸念材料としては、◇貸付成長率が低い水準に留まっていること(※3月25日時点の貸付成長率は前年末比+0.26%上昇)、◇新規設立企業と事業を再開した企業の合計が一時休業した企業・解散手続き中の企業・解散した企業の合計を下回っていること、◇新規設立企業の登録資本金が減少傾向にあることなどが挙げられる。
VEPRは経済成長の刺激策として、◇公共投資資金の配分・実行強化、◇企業各社が直面する困難の除去、◇付加価値税(VAT)引き下げの継続、◇銀行融資以外の融資・投資チャネルの多様化促進、◇ベトナム経済と国内企業の独立性および自主性の向上などを提案した。