2024年1~9月期(9月25日まで)におけるベトナムのM&A取引件数は220件余りで、取引額は前年同期比+45.9%増の32億USD(約4800億円)となり、うち国内企業による取引が全体の53%を占めた。ダウトゥー(Dau Tu)紙が開催した「M&Aベトナムフォーラム2024」で明らかになった。
同期の取引1件当たりの平均取引額は5630万USD(約85億円)で、前年通年の平均3290万USD(約50億円)に比べ+71%増加した。M&A取引は、主に不動産(取引額全体の53%)、工業(同21%)、必需財(同14%)などの分野で行われた。
また、大規模なM&A取引10件が、取引額全体の87%を占めた。中でも最大の取引額は9億8200万USD(約1480億円)で、地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)がビンコムリテール[VRE](Vincom Retail)の大株主であるサド・トレーディングコマーシャル(Sado Trading Commercial)株99%超を保有する子会社SDI貿易開発投資(SDI Trading Development And Investment)の持ち株55%をすべて売却した取引だ。
金融や教育、ヘルスケアなどの分野への投資活動が回復すると予想されていることから、2025年のベトナムのM&A市場の見通しは明るいと見られる。
なお、同期における世界のM&A取引額は前年同期比+14%増の8468億USD(約128兆円)だった。このうち、アジア・太平洋地域の取引額が同+54%増の2730億VND(約41兆円)へと急増した。