英国の市場調査会社ユーロモニター(Euromonitor)の報告によると、2023年におけるベトナムのアイスクリーム市場の売上高は、前年比+8%増の4兆9000億VND(約297億円)に増加すると予想されている。
ただし、成長率については前年の成長率を下回る見通し。この背景には、景気低迷が続いている中で、消費者の間で節約志向が高まっていること、糖質摂取に対する健康意識が高まっていることなどがある。
ベトナムのアイスクリーム市場の売上高は、2028年まで+10%の年平均成長率を達成し、2028年には7兆8000億VND(約473億円)に増加するものと見込まれる。
アイスクリームはお手頃価格の嗜好品と捉えられており、ベトナム人消費者のブランドロイヤルティも低い。そのため、キドグループ[KDC](Kido Group)やユニリーバ・ベトナム(Unilever Vietnam)、ネスレ・ベトナム(Nestle Vietnam)などのアイスクリーム大手は、黒糖パールやグアバ、スイカ、ストロベリーヨーグルト、小豆、ドリアン、インゲンなどエキゾチックな風味の新商品を次々と市場に投入し、競争を繰り広げている。
<2023年におけるベトナムのアイスクリーム市場シェア(予想)>
ベトナムのアイスクリーム市場シェアについて、KDCのシェアは2021年の43.7%、2022年の45.9%から2023年には46.8%に拡大し、首位を堅持する見通し。以下、◇ユニリーバ・ベトナム:11.5%、◇ビナミルク[VNM](Vinamilk):9.0%、◇ファニー(Fanny):4.3%、◇チャンティエン(Trang Tien):4.0%などと続く。