投資家は証券投資税(証券譲渡益に対する課税)がはっきりしたことでほっとしている。税率は利益の20%、というニュースは投資家をぞっとさせたが、売却毎に合計代金の0.1%を納税するというもう一つの選択肢は、理不尽なものではないと受け止められている。取引の際、売買代金の0.1%分を納税することは自らの投資活動に影響を及ぼさない、と考えている個人投資家は大勢いる、ということだ。
バオベト証券株式会社 [銘柄コード:BVS]やサイゴン証券[銘柄コード:SSI]などの大手証券会社での取引手数料0.4%に、更に0.1%足せば0.5%となるが、それでもまだ不合理という程ではない。新規に設立された証券会社の場合は、手数料がおよそ0.2%であり、税率0.1%が加わったとしても、手数料の値下げがなかったと思えばいいだけの話である。ただ、手数料を低く定めた証券会社は、課税後は、手数料を上げづらくなるだろう。
国会がこの税制について議論していた頃、市場には様子見気配が強く、売買代金は着実に縮小した。税率や納税方式、適用開始時期などがはっきりした後、市場はようやく上昇した。課税内容が明確になったことが投資家にプラスの影響を与えている。