ベトナム航空協会(VABA)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で特に苦戦を強いられている国内の航空会社がキャッシュフロー枯渇のリスクに直面しているとして、計画投資省宛てに支援策を提案する公文書を送付した。
提案された支援策は以下の通り。
◇ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)と同様に、他の航空会社を対象として救済措置を適用する。ベトナム国家銀行(中央銀行)が商業銀行を介して貸付基準利率(リファイナンスレート)の優遇金利で航空会社に5兆~6兆VND(約240億~290億円)を貸し出す。
◇航空各社に計25兆VND(約1200億円)の優遇融資を行う。融資期間は3~5年とする。
◇国会常務委員会に対し、ジェット燃料に対する環境保護税を▲70%引き下げ、適用期間を2022年6月30日までとするよう提案する。
◇航空分野の企業や訓練機関に対して法人税を引き下げる。
◇旅行需要の刺激策として旅客サービス施設使用料を▲50%引き下げる。
◇国際線の段階的な運航再開、また人々の移動の安全性を確保する証明書となるワクチンパスポートの導入に向けて計画案を策定する。
VABAによると、HVN、格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)、地場不動産デベロッパー大手FLCグループ[FLC](FLC Group)傘下のバンブー航空(Bamboo Airways)の3社を合わせた短期債務と返済期限が到来した債務の合計は36兆VND(約1740億円)に達し、うちHVNが全体の55.6%に相当する20兆VND(約970億円)に上っている。
一方、航空業界に対する政府の支援政策については実施の遅れが指摘されている。