地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)はこのほど、自社ブランドの電気自動車(EV)向けに人工知能(AI)による音声認識技術を提供する米セレンス(Cerence)との業務提携を発表した。
これにより、セレンスはビンファストに対し、自動音声認識(ASR)や自然言語理解(NLU)、テキスト音声変換、自然言語生成(NLG)などの多くのコアテクノロジーを提供し、人間と同じような双方向のコミュニケーションができるバーチャルアシスタントを開発する。バーチャルアシスタントは、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、オランダ語の6言語に対応できる。
音声認識技術の導入により、運転者が「ヘイ、ビンファスト(Hey VinFast)」と話しかけ、知りたい情報を問いかけると、バーチャルアシスタントが気温や時事ニュース、スポーツ、証券、観光名所などの情報を回答する。
特に、両社が共同開発したバージョンでは、運転者が自動ダイアログ全体を聞き終わる前に、バーチャルアシスタントを中断して新しいコマンドを与えることができる。さらに、運転者はバーチャルアシスタントに、タイヤの空気圧や警告灯などの操作パラメーターや先進運転支援機能(ADAS)の調整、車内環境の制御などを指示することもできる。
なお、ビンファストは年末以降に、ベトナム国内や北米、ヨーロッパ各国向けにEVタイプ・スポーツ用多目的車(SUV)の「VF e34」と「VF e35」、「VF e36」を発売する計画だ。