共英製鋼株式会社(大阪市北区)は、ベトナム北部の事業拠点で同社が73.8%出資するベトイ鉄鋼[VIS](Vietnam - Italy Steel=Visco、北部紅河デルタ地方フンイエン省)の設備能力増強計画を発表した。
同社は中期経営計画「NeXuS 2023」(2021~2023年度)において、「世界3極体制」の下、生産量・出荷量の拡大に向け、グループ全体での出荷量を400万t体制とすることを掲げている。この中で、「海外鉄鋼事業の収益力強化・成長拡大の準備」を最優先課題とし、海外拠点の生産量・出荷量については230万t体制を目指す。
VISは、フンイエン省に圧延工場、北部紅河デルタ地方ハイフォン市に製鋼工場を保有している。製鋼工場と圧延工場が同一敷地内に立地していないことから、今後の事業展開や収益基盤強化に向けて製鋼工場敷地内に圧延工場を建設し、製鋼・圧延一貫生産体制を確立する。投資総額は約8000万USD(約92億円)。
計画の実行により、ベトナム北部の年間生産能力は、キョウエイ・スチール・ベトナム(Kyoei Steel Vietnam)と合わせて110万tとなり、南部拠点のビナ・キョウエイ・スチール(Vina Kyoei Steel)を加えた3社から成る、ベトナムにおける同社グループの年間生産能力は200万tとなる。これは、国内最大手の鉄鋼メーカーであるホアファットグループ[HPG](Hoa Phat Group)に次ぐ規模となる。
今後、投資許可取得などの手続きや建設準備を進めていき、2022年12月頃に工事開始、2023年末に稼働開始を予定している。