ベトナム国家銀行(中央銀行)と米財務省は19日にオンライン会合を開き、為替政策について合意に至った。
ベトナム中央銀行はこの席で、過去の為替管理について、インフレの抑制とマクロ経済の安定を目的とするもので、不公平な貿易競争による利益を狙ったものではないと強調。国際通貨基金(IMF)の規定を遵守し、通貨ドンの競争的な切り下げを実施しないと約束した。
また、ベトナム中央銀行は、通貨ドンが国内市場の発展や経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に沿って変動するよう、時間経過とともに為替相場の柔軟性を向上させることに合意した。
米財務省はこれに先立つ2020年12月の為替報告書でベトナムを「為替操作国」に認定。為替操作国の認定には、◇200億USD(約2兆2000億円)以上の対米貿易黒字、◇国内総生産(GDP)2%以上の経常黒字、◇1年のうち6か月以上にわたるGDP比2%以上の為替介入の3つの判定基準がある。
なお、米財務省はその後、2021年4月に公表したバイデン政権発足後で初となった為替報告書で、ベトナムを「為替操作国」のリストから除外している。