ベトナム国家銀行(中央銀行)取引所は8日、米ドル売値を1USD=2万3856VNDから706VND(約2.96%)ドン高へと調整し、1USD=2万3150VNDとした。調整幅としてはここ数年で最大だった。ドル買値については、1USD=2万2650VNDで据え置いた。
ドン高に調整した背景には、銀行間取引市場における通貨ドンが対ドルで大きく下落したことがある。対ドル為替レートは11月26日の1USD=2万2675VNDから425VND(約1.87%)切り下げ、1USD=2万3100VNDとなった。
専門家は、最近の為替レートの上昇について、年末に輸入向け外貨需要が増加する季節性の影響によるもので、短期的なものに過ぎないとしている。
なお、中央銀行は同日、対米ドル銀行間為替レート(中銀公定レート)を、前日の1USD=2万3096VNDから▲27VND(約0.12%)切り下げ、1USD=2万3123VNDに調整した。公定レートの調整は今週3回目で、前週末からの切り下げ幅は▲110VND(約0.48%)となった。
公定レートの許容変動幅はこれまで同様±3.0%で変わっていない。これにより、商業銀行が提示できる為替レートは1USD=2万2540VND~2万3934VNDとなっている。
中央銀行の対米ドル為替レート調整を受け、商業銀行の対ドル為替レートは10~45VNDのドン高となった。
ベトコムバンク[VCB](Vietcombank)が提示するドルの買値と売値は前日比▲20VND引き下げられ、1USD=2万2960VND~2万3200VNDとなっている。
ヴィエティンバンク[CTG](Vietinbank)は1USD=2万2950VND~2万3190VNDで、45VNDのドン高となった。
ベトナム投資開発銀行[BID](BIDV)の買値と売値は10VND引き下げられ、1USD=2万2950VND~2万3190VNDとなっている。