国際協力銀行(JBIC、東京都千代田区)は5日、三井石油開発株式会社(MOECO、東京都千代田区)が出資するモエコベトナム石油株式会社、モエコ南西ベトナム石油株式会社及びMOECO Southwest Vietnam Pipeline B.V.との間で、それぞれ融資金額約1億6700万USD(約270億円)、1億6100万USD(約260億円)、約8700万USD(約140億円)(いずれもJBIC分)を限度とする貸付契約を締結した。
同融資は、民間金融機関との協調融資により実施するもので、協調融資総額はそれぞれ3億3500万USD(約540億円)、3億2200万USD(約520億円)、1億7500万USD(約280億円)となる。
これは、MOECOが、事業パートナーであるペトロベトナムグループ(Vietnam National Oil and Gas Group=PVN)及びタイ石油開発公社(PTTEP)とともに、ベトナム南西沖合のBlock B(B鉱区)ガス田を開発し、パイプラインを敷設した上で、ベトナム南西部の火力発電所群に燃料ガスを輸送するために必要な資金を融資するもの。
同事業は、ガス田開発に関する実績と知見を有するMOECOが参画し、ベトナム国産ガスの開発及び発電所までのパイプライン敷設を一体開発することで、日本企業の資源開発を支援するとともに、ベトナムのエネルギー・トランジションの推進に貢献する。
日本政府は2022年1月、日本企業が強みを持つ技術・知見を活かし、エネルギー・トランジションに向けたアジア各国の取り組みを支援し、協力する枠組みとして「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を提唱した。
ベトナムはAZECの重要なパートナー国であり、JBICによる同事業に対する支援は、こうした日本政府の方針にも沿うものとなる。