ビナシップ海運[VNA](Vietnam Airlines)はこのほど、仏エアバス(Airbus)社のワイドボディ旅客機「A330型機」の運航を終了した。これは同社の旅客機刷新計画によるもの。
同社は2006年10月にA330型機の運航を開始し、ピーク期には12機を運航していた。A330型機は主に、◇ハノイ~ホーチミン線、◇ハノイ~ダナン線、◇ホーチミン~ダナン線、◇ハノイ~ニャチャン線、◇ハノイ~フーコック線などの国内線で使用。このほか、ベトナムと欧州、オセアニア、東・北アジア、東南アジアを結ぶ国際線でも使用され、これまでに累計9万6000便を運航して2000万人の旅客を輸送した。
今回のA330型機の運航終了により、2015年から始まった同社のワイドボディ旅客機の刷新が完了。HVNは同計画に基づき、米ボーイング社(Boeing)のボーイング777型機およびA330型機を、ボーイング787型機とA350型機にそれぞれ切り替えていた。
新型機はいずれも旧型機と比べて燃費が良いため、ジェット燃料コストの削減につながっているほか、保守メンテナンス費用や排ガスも少なくなっている。
HVNの2018年末時点における保有機材数は93機(ATR72型機、エアバスA321型機、エアバスA330型機、エアバスA350型機、ボーイングB787型機)で、国内最大規模を誇る。ジェットスター・パシフィック(Jetstar Pacific Airlines=JPA)とベトナムエアサービス社(VASCO)の子会社2社の機材も含めると、保有機材数は110機にのぼる。なお、同社は2030年までに保有機材数を156~233機に増やす計画だ。