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　財政省はこのほど、カジノ事業やカジノ入場が認められる対象者などに関する政令第3号/2017/ND-CPの改正・補足について提案する文書を政府宛てに送付した。この文書で、ベトナム国内のカジノの売上高が直近3年間で2.1倍と大きく増加したが、その多くは非効率的な経営が続いていることが明らかになった。

　2017年3月に施行された同政令では、ベトナム人のカジノ入場を試験的に認めている。同時点で認可を取得したカジノは8か所あり、うち7か所が営業中、南中部地方クアンナム省にある「ナムホイアン(Nam Hoi An)」が建設中だった。

　カジノ8か所の売上高合計額は 、◇2017年：1兆1900億VND(約55億円) 、◇2018年：1兆5600億VND(約72億円、前年比+31％増)、◇2019年：2兆5000億VND(約116億円、同+60％増)と増加の一途を辿っており、直近3年間で2.1倍と大きく増加した。

　東北部地方クアンニン省ハロン市で「ザ・ロイヤル・カジノ・ハロン(The Royal casino Ha Long)」を運営し、ホーチミン証券取引所(HSX)に上場しているロイヤル・インターナショナルカジノ[RIC](The Royal International Corporation)は2017年に▲1327億円(約6億1000万円)の多額の赤字を計上した。2018年に174億VND(約8100万円)の黒字に転換したが、2019年には再び▲730億VND(約3億4000万円)の赤字に転落した。

　地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のフーコック観光開発投資(Phu Quoc Tourism Development And Investment)は南部メコンデルタ地方キエンザン省で「コロナ・フーコック(Corona Phu Quoc)」を運営している。同社は2019年に▲2兆5000億VND(約116億円)の多額の赤字を計上した。この赤字額は、カジノ事業と同社のその他事業を含めたもの。

　東南部地方バリア・ブンタウ省で2013年中旬に開業した「ザ・グランド・ホーチャム(The Grand Ho Tram)」は、現在も収益化できていない状況だ。

　非効率的な経営の原因として、カジノの数の増加に伴い競争が熾烈化し、集客が難しくなったことが挙げられる。

　なお、新たに認可を取得したカジノ案件も含めると、全国のカジノ案件は12か所に増えている。