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複数企業が肉用牛畜産業進出、神戸牛などの和牛ブランドも人気

2021/03/29 05:06 JST更新

  複数の大手企業が一斉に肉用牛畜産市場への進出を発表した。市場競争が熾烈化することで牛肉価格が安くなり、消費者は競争による恩恵を享受できる見通し。

  国内最大の乳業企業ビナミルク[VNM](Vinamilk)の孫会社であるベトナム畜産[VLC](Vilico)と双日株式会社(東京都千代田区)はこのほど、牛肉製品の加工・販売を目的とした合弁会社「ジャパン・ベトナム・ライブストック(Japan Vietnam Livestock)」(仮称)の設立に合意した。

  同合弁会社では、VLCが51%、双日が49%をそれぞれ出資する。設立時期は4月ごろの予定で、ベトナム国内における牛肉製品の輸入および加工・販売事業を手掛けるという。

  ベトナムの牛肉年間消費量は日本の半分に相当する約50万t程度に留まっており、開拓余地が大きいと見られている。人口増加と所得水準の上昇により、牛肉の消費量は今後更に拡大するものと予想される。

  また、地場電機メーカーのアサンゾ(Asanzo)もこのほど、オーストラリア産肉用牛2万5000頭の畜産プロジェクトを発表した。国内向けに1日当たり約50tの牛肉を出荷し、有機肥料の製造も手掛ける。プロジェクトの投資総額は2兆VND(約95億円)の見込み。

  これに先立ち、ベトナムの肉用牛畜産市場には既に複数の大手企業が参入を果たしている。

  製糖大手タインタインコングループ(Thanh Thanh Cong Group=TTC)のダン・バン・タイン会長とネイル用ニッパー製造最大手ケムギア社(Nghia Nippers Corporation)のグエン・ミン・トゥアン社長が立ち上げた神戸牛ベトナム社(Kobe VN Beef Corporation)がその最たる例だ。同社では国内で神戸牛を飼育して、ベトナム産神戸牛肉を出荷している。同社の神戸牛のうち最高品種の牛肉は、販売価格が1kg当たり420万VND(約2万円)と高額だが、消費者の間で好評を博しているという。

  同社のベトナム産神戸牛の月間出荷量は現在、1t程度に留まっており、同社の責任者は今後、供給能力を引き上げるべく、仔牛の飼育を委託し成長した肉用牛を買い取る形で外部の飼育農家と連携する計画を明らかにした。

  この他、フイロンアン社(Huy Long An)では、日本から技術移転を受けており、日本水準の和牛を飼育することで、消費者から人気を集めている。

  なお、国際連合食糧農業機関(FAO)の報告によると、ベトナム人1人当たりの年間牛肉消費量は9.2kgで、このうち30%が国内供給、残る70%を輸入で賄っている。

  ベトナム当局の統計によると、2020年1~11月期における生きた牛・水牛の輸入頭数は51万7904頭で、このうち91%が牛。輸入額は5億5600万USD(約606億円)だった。また、同期間における牛肉・水牛肉の輸入量は8万0124t、輸入額は2億9590万USD(約323億円)となっている。

  
  

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