香港上海銀行(HSBC)は、ベトナムの2022年における国内総生産(GDP)成長率予想を以前の予想値である+6.6%から+6.9%に上方修正した。
HSBCは、ベトナムが経済再開の恩恵を受けていると評価し、外需が引き続き好調であることに加え、内需も回復していると分析した。
統計総局(GSO)によると、ベトナムの2022年1~6月期のGDP成長率(推定値)は前年同期比+6.42%で、前年同期の+5.74%から加速し、上半期として直近3年間で最高値だった。4~6月のGDP成長率は前年同期比+7.72%で、四半期として2011年以来の最高水準となっている。4~6月のGDP成長率は期待以上で、各組織が予想した+5.8~5.9%を大きく上回った。
物価について、今年のインフレ率は平均して+3.5%となるが、+4.0%を超える時期もあると見られ、金融政策を柔軟に運用する必要があると予想される。HSBCは「価格圧力は周辺諸国と比べて依然として管理可能なレベルではあるものの、兆候は現れ始めている」と評価している。
これを受け、ベトナム国家銀行(中央銀行)は7~9月から2023年にかけて、複数回にわたり主要政策金利を引き上げる可能性があると見込まれる。
なお、HSBCは特にエネルギーのリスクを考慮した上で、ベトナムの2023年におけるGDP成長率予想を以前の予想値である+6.7%から+6.3%に下方修正した。