香港上海銀行ベトナム(HSBC Vietnam)はこのほど発表したレポートで、ベトナム経済の多面的な側面を報告した。上半期の輸出額は前年同期比で+17%と大幅に伸びたが、勢いにブレーキがかかり始めており、下半期の増加率は経済界の期待を下回ると予測している。主な原因は電子分野、特に電話の伸びが鈍くなっていることだ。
縫製・繊維分野では、ベトナム縫製協会(VITAS)が、今後受注が減少すると予想しており、どこまで持ちこたえられるかが問われることになりそうだ。
輸入額の増加率は、数か月前の二桁成長から+3.4%増へと急減した。原因はエネルギー価格の下落により、鉄鋼や石炭、原油などの輸入額が減少したためと分析されている。また、電話関連製品の輸入額も前年同期比で▲8%減少している。
国内経済では一定の成果も見られた。小売売上高は前年同期比+55%増だった。特に観光は4か月連続で二桁の成長を記録した。
7月の外国人訪問者数は35万人余りで、上半期の毎月平均の3倍に増えた。1~7月の累計では100万人近くとなった。ベトナム観光総局は年間目標を500万人に設定している。