シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は先般発表した最新レポートの中で、ベトナムの2023年における国内総生産(GDP)成長率予想を1月に発表した前回レポートと同じく+6.6%で据え置いた。
UOBは、ベトナム国家銀行(中央銀行)が景気刺激策に前向きで、金融緩和政策を支持する傾向があると予測している。2023年4~6月中に、基準貸付利率(リファイナンスレート)金利が▲1.0%引き下げられ、年5.0%となる見通し。
UOBによると、ベトナムの通貨ドンはアジアで安定性が高い通貨の1つで、輸出と工業生産の力強い回復やインフレ率の低下が支援材料となっている。
通貨ドンの対ドル為替レートは2023年4~6月中に1USD=2万4200VND、7~9月中に1USD=2万4000VND、10~12月中に1USD=2万3800VND、2024年1~3月期には2万3600VNDとなると予想されている。
このほか、UOBはベトナムの成長見通しが悪化する可能性のある外部リスクについて、◇ロシアとウクライナの紛争によるエネルギー、食料、商品価格への影響、◇世界のサプライチェーン混乱、◇世界各国の金融引き締め政策、◇世界の銀行部門の変動による市場信頼感への影響という4つのリスクを挙げた。