ベトナム国家銀行(中央銀行)は3月31日夜、主要政策金利に関する決定第574号/QD-NHNNを公布した。
決定では、基準貸付利率(リファイナンスレート)金利を年6.0%から年5.5%に引き下げた。基準割引率(ディスカウントレート)は年3.5%、銀行間翌日物(オーバーナイト)金利は年6.0%でそれぞれ据え置いた。
中央銀行はこれに先立つ3月14日、主要政策金利の引き下げに関する決定第313号/QD-NHNNを公布し、基準割引率(ディスカウントレート)を年3.5%(引き下げ幅▲1.0%)、銀行間翌日物(オーバーナイト)金利を年6.0%(同▲1.0%)に引き下げた。一方、基準貸付利率(リファイナンスレート)金利は年6.0%で据え置いた。前回の利下げは2020年9月以来約3年ぶりだった。
また、中央銀行は同日、金融機関・海外銀行支店が適用するドン建て預金の上限金利に関する決定第575号/QD-NHNNを公布した。
中央銀行が預金の上限金利を引き下げるのは、2020年10月以来約3年ぶり。直近の2022年9月と10月の調整では、上限金利を+0.3~1.0%引き上げていた。
決定第575号では、預金の上限金利を以下のように定めている。
◇期間1か月以上6か月未満の定期預金の上限金利:年5.5%(引き下げ幅▲0.5%)
◇普通預金、期間1か月未満の定期預金の上限金利:年0.5%(引き下げ幅▲0.5%)
中央銀行は同日、5つの優遇分野に対するドン建て短期貸付の上限金利に関する決定第576号/QD-NHNN、複数の国営機関の預金金利に関する決定第577号/QD-NHNNおよび決定第578号/QD-NHNNを公布した。
決定576号では、5つの優遇分野に対するドン建て短期貸付の上限金利を年5.0%から年4.5%に引き下げる。5つの優遇分野は、◇農業農村分野、◇輸出企業の生産販売活動、◇中小企業の生産販売活動、◇裾野産業分野、◇ハイテク応用産業分野。
決定第577号では、国庫、ベトナム預金保険(DIV)によるドン建て預金金利を年0.8%から年0.5%に引き下げる。
決定第578号では、ベトナム開発銀行(VDB)、政策銀行、人民信用基金、マイクロファイナンス機関によるドン建て預金金利を年0.8%から年0.5%に引き下げる。
各決定はいずれも2023年4月3日に発効する。