地場電子決済大手ベトナム・ペイソリューション社(VNPAY=VNペイ)は7日、仮想移動体通信サービス「VNスカイ(VNSky)」の提供を開始した。サービスは5月から北中部地方ゲアン省で試験導入されており、この結果を踏まえて今回、全国展開に踏み切った。
ベトナムでは現在、VNペイを含めて5社の仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator=MVNO)が事業を展開している。MVNOは、無線通信回線設備を開設・運用せずに、既存の通信事業者のインフラを利用して自社ブランドで携帯電話などの移動通信サービスを行う事業者を指す。
VNスカイは上3桁の番号「077」を使用。現時点では、携帯通信大手モビフォン(Mobifone)のインフラを利用しているが、将来的には他の携帯通信事業者とも提携して利用可能なインフラを拡大させる予定。
VNペイが提供するVNスカイの他に、国内では以下の仮想移動体通信事業者がサービスを展開している。
◇ドンズオンテレコム通信(インドシナ・テレコム=Indochina Telecom):「アイテル(ITEL)」
◇マサングループ[MSN](Masan Group)傘下モビキャスト(Mobicast):「レッディ(Reddi)」
◇ASIMテレコム(ASIM Telecom):「ローカル(Local)」
◇FPTリテール[FRT](FPT Retail)
このうち、FRTは6月下旬に仮想移動体通信サービスの提供に関する許可書を取得したばかりで、ベトナムでは短期間のうちに事業展開するMVNOが2社増えたことになる。
なお、ベトナムで事業展開しているMVNOの加入者数の合計は4月末までに265万件に増加し、移動通信サービス市場全体の加入者数に占める割合は前年の1.0%から2.1%に拡大した。