農業農村開発省によると、2023年1~9月期におけるベトナムのコメ輸出量は660万tとなった。輸出額は前年同期比+40.4%増の36億6000万USD(約5500億円)で、通年最高記録だった2011年の36億5000万USD(約5400億円)を上回り、年初9か月だけで過去最高を更新した。
この背景には、ベトナム産コメの同期1t当たり平均輸出価格が前年同期比+14.0%増の553USD(約8万2000円)に上昇したこと、また世界最大のコメ輸出国であるインドがコメ輸出を禁止していることがある。
8月のベトナムのコメ輸出量は95万t、輸出額は5億5300万USD(約820億円)だった。9月はコメ輸出量が80万t余り、輸出額が約4億9000万USD(約730億円)となった。8月と9月を合わせたコメ輸出量は180万t近くとなり、ベトナムは直近2か月で世界最大のコメ輸出国となっている。
1~8月期の輸出先はフィリピンが全体の40.3%と圧倒的シェアを占めている。以下、中国とインドネシアがそれぞれ2位(シェア13.5%)、3位(同12.4%)と続いた。
ベトナム産のコメ輸出価格は、世界最高水準に達している。ベトナム食糧協会(VFA)によると、10月4日時点のベトナム産の砕米率5%の輸出価格は1t当たり613USD(約9万1000円)で、砕米率25%の輸出価格は1t当たり598USD(約8万9000円)。一方、タイ産とパキスタン産のコメ輸出価格はいずれも小幅に下落している。
なお、2023年通年のベトナム産のコメ輸出量は800万t、輸出額は45億USD(約6700億円)で、いずれも過去最高を記録する見通し。