香港上海銀行(HSBC)が先般発表したレポートによると、ベトナムの電動バイクと電気自動車(EV)の販売台数の合計は2024年に100万台弱に増加し、2036年までには250万台超に達するものと見込まれる。
HSBCは、ベトナムの電動バイク産業の成長を評価し、メーカー各社の成果を称賛した。ベトナムの電動バイク市場は東南アジア諸国連合(ASEAN)で最大、世界では中国に次ぐ2位となっている。
電動バイクはEVに比べて価格が大幅に安く、部品の現地調達率も高いため、国内の電動バイク市場はEV市場よりも先に成長するものの、2030年代末にかけて成長が減速し、販売台数は横ばいになると予想される。
ベトナム人の自動車所有率は依然として低い水準にあるため、EV市場は大きな潜在力を秘めているとみられるが、EVの普及における課題として、◇EVの価格がガソリン車より高いこと、◇充電スタンドが少ないこと、◇EV向けインフラ整備に多額の資金が必要であること、などが挙げられる。
なお、充電スタンドや発電容量の確保など、予想通りの販売台数に対応するためのインフラを整備するには、2024年から2040年までの期間に123億USD(約1兆9200億円)分の投資が必要になると試算される。
<ベトナムの電動バイクとEVの販売台数の推移>