世界銀行(WB)が先般発表した報告によると、ベトナムは電気自動車(EV)用充電スタンドシステムの整備に、2030年までに22億USD(約3300億円)を投じる必要がある。投資額は2040年までに139億USD(約2兆1000億円)に、2050年までには326億USD(約4兆9000億円)に増加するものと見込まれる。
2027年まではEVの利用が主に高所得世帯に集中するとの予想から、効率を最適化するには、まずは富裕層の住宅区を中心に整備を行うべきだとみられている。2027年以降は充電スタンドのネットワークを拡大していく必要がある。
充電スタンドシステムの拡大と国民の生活水準の向上に伴い、EVの需要は、2024~2035年が280万台以上、2036~2050年が300万台以上になると予想される。
充電スタンドシステムが十分に整備されれば、初めて自動車を購入する人にとってEVが最良の選択肢になるとみられている。
EVへの転換による交通のグリーン化は、温室効果ガス排出量の削減、2050年までに「カーボンニュートラル」を達成するというベトナムのコミットメントの達成に貢献するだけでなく、内燃機関車用の燃料の輸入に必要な4980億USD(約75兆円)の節約にもつながると試算される。
また、充電スタンドシステムの整備と共に、電動車両の電力利用需要に応じて、発電能力の開発にも注力する必要があるという。
なお、ベトナム自動車工業会(VAMA)によると、ベトナムのEV台数は2028年までに100万台に、2040年までに350万台に増加するものと見込まれる。