世界銀行(WB)は先般発表した最新レポートの中で、ベトナムの2025年における国内総生産(GDP)成長率予想を前回レポートの+6.6%から+6.8%へと+0.2%pt上方修正した。
しかし、この予想値は政府が掲げる+8~10%の目標を大きく下回っている。
WBは、テクノロジー製品に対する世界的な需要回復が輸出を支えていると指摘する一方で、米国や欧州連合(EU)、中国などの主要市場の成長鈍化のリスクがベトナム経済に影響を及ぼす可能性があるとの見解を示した。
また、各国間の貿易摩擦の激化により、輸出、製造業、ひいては経済成長にマイナスの影響を与える恐れがある。同行は、こうした課題に対応すべく、公共投資の強化や財政の健全性の向上、エネルギー分野の耐性強化などを提言した。
ベトナムは引き続き魅力的な投資先であり、海外直接投資(FDI)の年間流入額は約250億USD(約3兆7000億円)の水準を維持する見通しだ。また、不動産市場の回復が内需を刺激し、外的リスクの影響を軽減するものと見込まれる。
なお、WBはベトナムの2026年のGDP成長率予想を前回レポートの+6.3%から+6.5%へと+0.2%pt上方修正した。