ベトナム国家銀行(中央銀行)決済部のデータによると、2023年7月末時点で、ベトナム国内に流通している国内クレジットカード数は前年同時期比+42.5%増の81万1400枚余りへと急増したが、市場全体のクレジットカード数に占める割合では、わずか8.7%に留まっている。
2018~2022年の5年間で、国内クレジットカードの数は年平均+29.6%伸びており、国際クレジットカードの+17.72%を大幅に上回った。ベトナムの消費者金融会社ベトクレジット(VietCredit Finance)は現在、国内クレジットカード市場でシェア50%余りを握っている。
国内大手新聞ラオドン(Lao Dong)紙が中央銀行と共催した「ベトナム電子決済市場の開発促進」と題したセミナーで、専門家らは、国内クレジットカードが国際クレジットカードに比べて利便性に優れたものが多くあり、国内クレジットカード発行会社が負担する手数料が国際クレジットカードと比較して非常に少ないため、国内クレジットカードの利用者が恩恵を受けていると分析した。
なお、ベトナムのクレジットカード保有率は全人口の4%にとどまっており、日本の68%、台湾の54%、シンガポールの49%、中国の21%、マレーシアの21%、タイの10%を大きく下回っていることから、ベトナムのクレジットカード市場、特に国内クレジットカード市場の開発余地はまだ大きいと評価されている。