ベトナムを代表するIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は、シンガポールを本拠地として東南アジア各国でタクシー配車・予約サービスを展開するグラブ社(Grab)のベトナム現地法人であるグラブベトナム社(Grab Vietnam)との間で、デジタル技術の研究開発(R&D)および応用に関する戦略的事業提携を締結した。
これにより同2社は、◇ベトナムの主要都市におけるスマートシティ開発、◇人工知能(AI)分野の新技術開発、◇電子決済の3事業で協力する。
中でもスマートシティ開発においては、AIをはじめとするデジタル技術に関するFPTのノウハウと、交通事情に関するグラブのデータベースとその分析能力を組み合わせることで、交通渋滞の削減を実現するなどして交通システムを改善し、物流システムも効率化することを目指す。
FPTはまた、グラブの展開するeウォレット(電子財布)「グラブペイ・バイ・モカ(GrabPay by Moca)」を、同社が確保しているエコシステムに導入することを検討する。
FPTは会話内容を分析し顧客の関心などを把握できるチャットボットによる「音声解析」と、顔認証・身分証明書認証などを可能とする「画像・資料解析」といった人間に代わる技術を保有している。FPTは、AI技術を活かして運転手や利用客の利便性を高めるなどして、グラブのサービスの質の向上を図る。